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Wi-Fi 6Eの6GHzバンドとは?

By TP-Link Editorial Group

お持ちのモバイル端末をWiFi接続させるときを思い出してみましょう。

WiFi名(SSID)の一覧には、近隣にあるWiFi名が一緒に表示されるはずです。ちょっと馬鹿げたような名前を見かけることもありますが、それよりも考えなければいけないことがあるのです。

それは、自分が接続するWiFiと他のWiFiが近くにあると、信号が互いに干渉してしまう可能性があるということ。使用しているルーターで期待したほどの速度が出ず、遅延が発生する原因にもなっています。


通信に利用している帯域(バンド)は貴重なリソースとされており、全てが私たちに開放されているわけではありません。そのため、たくさんのデバイスが同じ周波数帯域を共有しています。また、この限られた帯域は、FCC(米国連邦通信委員会)のような規制当局によって、細心の注意の下管理されています。現在、WiFiトラフィックのほとんどが、2つの周波数帯域(2.4GHzと5GHz)の中でひしめき合っているのです。

しかし、FCCが免許不要で利用できる6GHzバンドの開放について発表したことで、この問題もそう長くは続かないでしょう。この開放がWi-Fi Alliance・メーカー・ユーザーにもたらすものとはいったい何なのでしょうか?WiFiデバイスがこの全く新しいバンドを利用できる未来がすぐそこに待っています。

 

【現在の規格とバンドについて】

WiFiデバイスは特定のWiFi規格に準拠しており、通常は、対応する規格において1つまたは複数の周波数帯(バンド)で動作します。 WiFi規格は年々進化を遂げていますが、最新バンドの理解を深めるためにも、まずは現在使われている2.4GHzバンドと5GHzバンドを見てみましょう。
 

2.4GHzバンド

図1で示すように、2.4GHzバンドにおけるチャンネル幅は22MHzです。2.422GHzの中間周波数を持つ”チャンネル1+5”のように、隣接するチャンネルを束ねて40MHzに拡大することができます。なお、国や地域によって許可されるチャンネルは異なります。

隣接するチャンネル間にはかなりの重複があり、干渉を引き起こしてしまいます。例えば、2つのアクセスポイントを互いに近い位置で取り付け、1つがチャンネル1(以下図)、もう一方がチャンネル2で動作している場合、各アクセスポイントとそのクライアントデバイス間で深刻な速度低下が発生する可能性があるのです。このような干渉を取り除くために、通常は、周波数が重ならないようチャンネル1/6/11を組み合わせて使用します。

図1:2.4GHzバンド


5GHzバンド

5GHzバンドのチャンネル幅は20MHzで、40MHz・80MHz・160MHzと、複数を束ねて利用することが可能です。なお、国や地域によって許可されるチャンネルは異なります。

 

【6GHzバンドとは?】

6GHzバンドは、図2のように5.925GHz〜7.125GHzの周波数帯域を指します。チャンネル幅は、2.4GHzや5GHzと比べて最も広い1,200MHzが利用可能。チャンネル数も最大で、優れた非干渉性と安定性を誇ります。

図2:6GHzバンド

表1:各バンドで利用可能なチャンネル数(理論値)

たくさんのメリットがあるにも関わらず、なぜ規制当局は6GHzを長い間WiFiに開放してこなかったのでしょう?理由の1つは、最近のようにWiFiデバイスが大きな発展を遂げるまで、喫緊に必要とされていなかったためと考えられます。

6GHzバンドの動作要件

もう1つの考えられる理由は、業界が既に6GHzバンドにある無数の既存アプリケーションに対処しなければならないという点です。WiFiへ開放される前に、業界全体でバンドの共有と、潜在的な干渉を防ぐためのメカニズムを開発する必要があります。

現在あるアプリケーションは、固定サービスとモバイルサービスに分類できます。固定サービスは重要なサービスに対応する、ポイントツーポイントのマイクロ波。一般的な例として、警察・消防・鉄道用等が挙げられます。

一方、モバイルサービスは、モバイル送信機がセンターと通信するシナリオ。テレビのピックアップステーションが、番組の素材を現場からスタジオに送信します。

表2は、バンドがさまざまな条件と要件に基づいて4つのサブバンドに分割されていることを示しており、業界は、各サブバンドの共有使用メカニズムを理解する必要があります。

このメカニズムには、サブバンドのU-NII-5とU-NII-7に適用されるAFC(自動周波数調整)が含まれます。サブバンドのU-NII-6とU-NII-8を使用する全WiFiデバイスでは、LPI(Low Power Indoor)の使用のみに制限されます。

モバイルサービスは通常、広範囲にわたって動作できるように認可が与えられています。したがって、表2のようなモバイルサービスが普及しているサブバンドにAFCを適用することは現実的ではありません。

表2:6GHzサブバンドの条件と要件

 

【6GHzバンドのメリットは?】

小さな範囲でより高速に

6GHzバンドは、既存バンドよりも本質的に高い動作周波数を提供し、より高いデータレートと伝送速度を実現。ただし、6GHz WiFiは遠くまで届かない場合があります。物理的に、高い周波数の無線信号は障害物の影響を受けて速度が減少するとされています。

そのため、6GHzを利用するWiFi 6Eは、VR/AR・動画ストリーミング・IoT機器等、昨今リリースされている短距離で高スループット・低遅延が求められるアプリケーションに適していいます。
 

より正確なポジショニング

WiFiデバイス向けに開放されたバンドの中で最も広い6GHz。一般的に、広いバンドはより正確なポジショニングを提供するとされており、WiFi 6Eは掃除ロボット等のお部屋を測位するアプリケーションに役立ちます。
 

非対応デバイスによる干渉が少ない

WiFi 6Eにおいて最もエキサイティングな部分は、最新の規格 802.11ax(WiFi 6)に対する影響です。WiFi 6E以前の規格にしか対応していないデバイスは、6GHzバンドを利用できません。つまり、6GHz WiFiに繋いだデバイスは非対応デバイスと競合をすることがないため、OFDMAのような新機能の効果も高まり、WiFi 6のポテンシャルを最大限に活かして、全体のパフォーマンス向上を図ることが可能になるのです。

 

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※2022年6月現在、日本では6GHzバンドの利用は許可されておらず、具体的な仕様は決定していません

TP-Link Editorial Group

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