PoE機器がうまく動作をしないときは
IP電話やIPカメラなどのPoE給電で動作をするデバイスがTP-LinkのPoE機器と接続しても利用できない場合のトラブルシューティングです。
はじめに
トラブルシューティングの作業に入る前に、PoEに関する基本的な説明を致します。必要が無い場合はFAQとトラブルシューティングを行って下さい。
1.PoEとは
PoEは、コスト削減、シンプルさ、モビリティ、制御性などの多くの技術的利点を持つPoE(Power over Ethernet)の略です。この技術を使用することで、元のネットワークの構造配線を変更することなく、IPネットワークに基づくデバイスに直流電流を供給することができます。
2.PoEのシステム
- 給電機器:PSE(Power Source Equipment)
イーサネットケーブルを介してPDにDC電力を供給できるデバイスを指します。 PSEは自動的にPDを検索、検出、分類し、PDに電力を供給することができます。
例: PoEスイッチ(TL-SG〜PEや〜P)やPoEインジェクター(TL-POE150S)等
- 受電機器:PD(Powered Device)
PDには規格に準拠したデバイス(標準デバイス)と非準拠デバイス(非標準デバイス)があります。 規格に準拠したPDは、IEEE802.3af / atと互換性のあるデバイスを指し、PSEによって電力供給されることができ、非標準のPDは、適合したPSEとともに使用されます。
例: Wi-Fiアクセスポイント(EAP245・CPE510)、PoEスプリッター(TL-POE10R)、IP電話、IPカメラ等
3.PoE規格
- 1) IEEE802.3af
IEEE802.3af規格は、1ポートあたりの最大出力電力を15.4Wと定義し、イーサネットケーブルを介して12.95W未満のデバイス(IPカメラなど)に電力を供給することができます。
- 2) IEEE802.3at
IEEE802.3at規格はIEEE802.3afに基づいており、IEEE802.3afの上位バージョンといえます。 単一ポートからの電力は最大30Wで、ビデオ電話機、PTZデバイスなどの高出力デバイスの要件を満たすことができます。
- 3) 2つの規格の違いについて.
4.PoEの給電モード
IEEE802.3af/at 規格に基づいた2種類の給電モードがあります。
- Alternative A: イーサネットケーブルのデータ線(1/2/3/6ピン)を使用して給電します。
- Alternative B: イーサネットケーブルの複線(4/5/7/8)を使用して給電します。
1) Alternative A:
この画像はLANケーブルとLANポートの端子を表しています。このPSEは1/2/3/6のデータ線を使用して給電をしています。ライン対の極性は、チップベンダの指定によって正(positive)または負(Negative)が決まります。
2) Alternative B
この画像では空いている複線(4/5/7/8)を使用して給電をしています。4と5が正(Positive)、7と8が負(Negative)です。
注:
- IEEE 802.3af / atプロトコルによれば、標準PSEはどちらか一方のみに対応が可能です。標準PDは両方のモードをサポートし、すべての種類の極性と互換性がなければなりません。
- 現在、TP-LinkのPoEスイッチはすべて標準PSEであり、Alternative Aに基づいて設計され、ライン対1/2は受動極であり、ライン対3/6は正極である。
FAQとトラブルシューティング
Q1: PDをPSEに接続しても動作せずスイッチングハブのLEDが点灯しない場合は
A: トラブルシューティングの手順:
- PDがIEEE802.3af/atに対応しているかをご確認下さい。
- Cat.5e以上のLANケーブルが正しく接続されているかを確認して下さい。損傷しているものや100メートル以上のケーブルは使用しないで下さい。
- 給電側のPoEスイッチのLANポートがPoEに対応しているかをご確認下さい。PoE対応スイッチでも一部のポートのみがPoEに対応している場合があります。
- PDの給電モードをベンダーへ確認して下さい。2つの原因が考えられます。:
- 1) 1つめはPDがAlternative Bのみに対応している場合です。上で述べた通りTP-LinkのPoE機器はAlternative Aのみに対応しています。残念ながらご利用いただくことは出来ません。
- 2) ストレートスルーケーブルを使用している場合は、クロスオーバー ケーブルを使用して下さい。
PDとPSEを接続してもPSE側のスイッチのLEDはが点灯しない(反応しない)場合は機器のベンダーまでPoEの給電モードと極性をお問い合わせ下さい。弊社サポートmでお問い合わせいただく際それらの情報も併せてご連絡下さい。
Q2: PDをPoEスイッチに接続して利用もできているがLEDが素早く点滅しています。なぜでしょうか?
A: LEDの点灯は給電中を意味しますが、給電が止まってしまうことがあります。
PSEの総出力電力が最大出力電力を超えるか、または近づいている可能性があります。 PoE MAXライトで状態の確認ができます。点灯または点滅している場合は、電源が不足していることを示します。 また、スタンドアローン・テストを試して問題をデバッグすることもできます。
これは、スイッチとPDデバイスが使用するリンク損失検出メカニズムが相互に互換性がないためです。現在、すべてのTP-Link PoEスイッチはDCリンク損失検出モードのみをサポートしています。 PDがACリンク損失検出モードのみをサポートしている場合、スイッチで動作していない可能性が非常に高いです。したがって、トラブルは解決していないがPoE MAXライトは正常の場合、PDのベンダーに連絡して、PDがサポートするリンク損失検出モードについてお問い合わせ下さい。弊社にお問い合わせいただく際はこちらの情報も併せてご連絡下さい。
Q3: 今使用しているPDが他のベンダーのPSEとは使えるけどTP-LinkのPSEでは使えなかったときは
A: はじめにPDが規格に準拠したものかと、電源供給モードをご確認下さい。また、特定のベンダーの製品は自社製品のみとの通信が可能なものもあるためその点もご確認下さい。規格に対応していない製品同士でも仕様が合致すれば利用できる場合もありますが、なによりご購入にあたりこれらの規格や仕様に関して精査されることをオススメいたします。
注:
IEEE802.3af/atへの対応を謳うベンダーの中にも自社製品のみとの互換性を持つ製品も多くあります。
PoEスイッチのステータスLEDは問題解決に大きく役立ちます。トラブルが発生した時はスイッチの説明書やベンダーのHPにある電子マニュアル等でLEDの点灯状況が何を意味するかの確認をオススメいたします。
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