パッケージやHPの速度表示について
この記事ではWi-FiルーターのパッケージやHPに記載されている速度表示と実測値の違いなどについて解説をします。
以下の画像は、TP-Link Archer C50の箱から撮影したものです。
1. AC1200とはどのような意味ですか?
パッケージに記載されているAC1200(2.4G 300M + 5G 867M)とは、PCやスマートフォン等の接続端末(クライアント)がルーターと通信できる最大の無線リンクレートのことで、リンク速度とも呼ばれ、IEEE規格802.11の仕様上の物理レートです。それは次の3つの要因の結果として変化します。
1) 建材・物理的な障害物などの環境要因。
2) 電波干渉・トラフィックの量・ネットワーク構成などのネットワーク条件。
3) 接続端末のスペック・場所・接続品質・設定・状態を含むクライアントの制限。
誤解されがちですが、リンク速度はスピードテストのダウンロード速度とは異なり、ダウンロード速度は、アプリケーションレートです。一般的に物理的なレートはリンク速度の約40%から50%ですが、契約しているプロバイダーによって提供される帯域幅によって制限される場合もあります。下の2枚の写真は、パソコンでのリンクレートとダウンロードレートです。
802.11規格について詳しく知りたい方は、以下のリンク(Advertised Speedsの部分)をご覧ください。
https://en.wikipedia.org/wiki/IEEE_802.11ac
2. 10/100Mbps WANポートとはどういう意味ですか?
100Mbpsポートは最大速度が100Mbpsであることを意味し、1000Mbps(ギガビット)ポートは、最大速度が1000Mbpsであることを意味します。
100Mbpsのイーサネットポートでの最大実測値は約90Mbpsなので、1ギガの光回線のような100Mbps以上の回線を契約している場合は、ギガビット対応のルーターをご購入下さい。
3. TP-LinkはなぜArcher C20/C50のような100Mbpsポートを搭載した製品を製造しているのでしょうか?
マンションなどで回線を共有する場合は各居室の速度は100Mbpsに制限されている場合があり、こういった環境で利用するには1000Mbpsポートを搭載した機種を買う必要はなく、コストを抑えた100Mbpsのルーターで充分だからです。
そのうえで速度が出やすく電波干渉に強いWi-Fi 5(11ac)規格に対応しているので、利用環境に応じて機種を選んで下さい。
4. Archer AX50のWANポートは最大で1000Mbpsにしか対応していないのに、5GHzは最大2402Mbpsと表記されてるのはおかしくないですか?
例えばArcher TX50Eを搭載したPCとArcher AX50は最大2402Mbpsで接続されますが、インターネットの速度を計測すると理論上最大でも1000Mbps弱となります。これは主に接続台数に関係する帯域幅や実測値に関係しています。
- 帯域幅 - 2402Mbpsなど高い値は高速であると同時により多くの端末が接続可能で、Wi-Fi 5や6ではこの点が最も重要視されています。
- 実測値 - 無線接続時の実測値(スピードテストなど)はリンク速度の6割以下への減退が一般的です。そのため2Gbps以上のリンク速度でもスピードテストなどの実測値は最大でも1Gbps前後となります。
そのため特定のPCなどで最大速度のインターネット速度を出したいのであれば2.5Gbps や10GbpsのWANポートを搭載したルーターや機器、回線を導入する必要があります。
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